イタリア語に関する推薦書

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随時更新していきます。(  )は追加日です。

伊藤太吾『フランス語・イタリア語・スペイン語が同時に学べる単語集』(ナツメ社)

タイトルの通り、ラテン語由来のロマンス諸語の語彙が並列されて並んでいる単語集である。所々、語源となった古典語や関連する英単語も指摘してあって、語源好きにはたまらない一冊になっている。ただ、これを使って、実際にこの3言語を同時に学ぶ人がどれだけいるかはわからない。3つのうちどれか一つが分かる人が、「他の言語ではこうか。ふ~ん」と思いながら読むぐらいがいいのかもしれない。全ての単語に例文やコロケーションが3言語でついているので、見比べると結構面白い。配列はフランス語のアルファベット順になっているので、イタリア語・スペイン語学徒は、そこのところは黙って受け入れるしかない。(2024/2/25)

興松明『イタリア語入門講座』(東洋書店)

イタリア語の入門書としては、残念ながら当時も今も、それほど人気の本ではない。特に現代では、かわいらしいイラストをあしらって、「イタリア語は簡単だよ~」と語りかけてくれるような教材の方が人気が出る。そう考えると、『イタリア語入門講座』は文字も多く、なかなか人気が出ないのも理解できる。(そして誤植も多い。)しかし、この堅実なスタイルで遠過去や接続法半過去まで解説してくれる教材は私としてはありがたかった。イタリア語は「入り口は広く、出口は狭い」なんて言われるが、こんな感じで入り口から引き締めていくような教材も、それはそれで愛着が持てるのである。(2024/2/25)

関口英子『名作短編で学ぶイタリア語』(ベレ出版)

イタリア語の文法を勉強した後は、なにか短い小説集でもいかが。この本は、中級レベルに必要な文法事項や語句のポイントを指摘しつつ、イタリアを代表する作家の文に直に触れることができるように設計されている。代名詞の用法や接続法の使われ方など、文章の中で初めて見えてくるものも多い。

ジュゼッペ・パトータ著、岩倉具忠監修、橋本勝雄訳『イタリア語の起源 歴史文法入門』(京都大学学術出版会)

もしあなたがイタリア語とラテン語を学んだ(もしくはどちらかを学んでどちらかへすすみたい)なら、これである。ラテン語が現代イタリア語へと姿を変えていった過程をわかりやすく解説してくれている。専門書の風格をまとった本ではあるが、言語の学習経験がそれなりにあるなら読むのに大きな苦労はないだろう。

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