ドイツ語学・ドイツ語史の推薦本

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随時更新してきます。(  )は追加日です。
印欧語全般・ゲルマン語全般についての本は、こちらのページで紹介しています。

石川光庸(1993)『匙はウサギの耳なりき』(白水社)

ドイツ語の単語を取り上げ、その語源について語る随筆である。いやあ~面白い。面白すぎる。学術的にも面白いし、筆者の文章が笑わせてくれる。知性とユーモアに溢れる本に悪い本はない。(2024/2/26)

石川光庸(2012)『ドイツ語〈語史・語誌〉閑話』(現代書館)

前著の続編である。さらにドイツ語の語源と筆者のこれまでの人生でのエピソードがユーモアたっぷりに語られる。もちろん学術的に役立つ知識もたくさんちりばめられている。いやあ~オモシロい。(2024/2/26)

金子哲太(2023)『ドイツ語古典文法入門』(白水社)

ドイツ語史のみならず、ゲルマン語史、あるいは古英語などのゲルマン語の古典語に興味がある人は絶対楽しく読める本である。言語史の本の定石通り音韻から詳しく説明してくれており、これが後半の各形態の説明や統語にも生きてくるので、まずはじっくり理解しながら読み進めたい。音変化を表した図など、読者にわかりやすく説明してくれる工夫も多く、分厚いが楽しく読める本になっている。(2024/2/26)

河崎靖(2007)『ドイツ語学への誘い ドイツ語の時間的・空間的拡がり』(現代書館)

本書は気軽に読める厚さのドイツ語学・ドイツ語史の本だが、私は初めて読んだとき、一部を除いて正直それほど印象に残った記述はなかった。他のドイツ語学の本を読んだ後再読すると、こういうことだったのかとわかる部分がある。(2024/2/26)

清水誠(2012)『ゲルマン語入門』(三修社)

私の人生を狂わせそうになった(今でもなっている)本である。私は古英語を皮切りに、30歳を過ぎてゲルマン語に興味を持ち、この本に出会った。ゲルマン語について知れば知るほど、ラテン語やギリシャ語など、10年以上前に大学で学んだ別の語派の言語がゲルマン語と深いところで結びついていることに気づき、暇さえ有れば仕事そっちのけでゲルマン語について考える日々を過ごしている。ゲルマン諸語の音韻については次の清水(2024)より本書の方が詳しい。(2024/2/26)

清水誠(2024)『ゲルマン諸語のしくみ』(白水社)

古今のゲルマン語の形態・統語の特徴を縦横無尽に解説した本である。値段が高いがゲルマン語の世界を知り尽くしたいなら絶対に読むべき1冊である。ゲルマン語の古典語や歴史言語学の類書を読んで「そこのところをもっと知りたい」と思ったことは、大抵書いてある。扱う事項も幅広く、音韻を除く大抵の分野はカバーしてあると言っていい。少なくともドイツ語はわかっている読者を前提に書かれている。古高ドイツ語・中高ドイツ語の知識があるとなお読みやすいだろう。北欧語もどれか一つでも学習経験があるともっと楽しめる。何度も読んで内容を頭にたたき込んでいきたい。(2024/3/7)

須澤通・井出万秀(2009)『ドイツ語史 社会・文化・メディアを背景として』(郁文堂)

日本語で書かれたドイツ語通史で、最もわかりやすく手軽に手に入るのは本書である。一般的な言語史で扱われる音韻・形態に加え、言語変化の背景を、社会言語学的な視点も交えつつ説明してくれている。(2024/2/26)

高田博行・新田春夫(2012)『講座ドイツ言語学 第2巻 ドイツ語の歴史論』(ひつじ書房)

ドイツ語学の全3巻本のシリーズのうちドイツ語史を扱ったのがこの第2巻である。特に最初の第1章と第2章はドイツ語史とドイツ語の特徴を学ぶ足場作りに最適である。読書案内も充実しているので、この本から別の専門書へと進むこともできる。(2024/2/26)

西本美彦・河崎靖(2013)『ドイツ語学を学ぶ人のための言語学講義』現代書館

ドイツ語を勉強する学生が、言語学の世界へ一歩踏み出そうとするとき、大きな助けになりそうな一冊である。前半部は割と一般的な言語学の概説書となっている。ドイツ語や英語を勉強していて、言語学に興味を持ったら最初に手に取るのによいだろう。後半はドイツ語やゲルマン語に興味がある人向けで、ドイツ語史の簡単な入門書になっている。玉に瑕は、誤植がとにかく多いことである。(2024/7/15)

三好助三郎(1968)『英独比較文法』(郁文堂)

タイトルの通り、英語とドイツ語の文法を比較しているのだが、現代語を並べただけでなく、歴史的背景に根ざした説明がなされている。「ドイツ人はこう考えるからドイツ語はこうだ」みたいな説明はやや偏った見方である感は否めないが、ドイツ語を学びつつ、英文法を再検討したいときは参考になる。(2024/2/26)

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