英語の文字・発音・綴り・フォニックスに関する推薦書

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随時更新していきます。(  )は追加日です。

大名力(2014)『英語の文字・綴り・発音のしくみ』(研究社)

言語関係の本を読み慣れていない人にはやや難しいかもしれないが、英語学習者なら読んでおいて絶対に損はない。私が英語を教える仕事をしていて、最も役に立った本と言っても過言ではない。文字とはどのように生み出され、配列されるのか、そして綴りと発音の関係など、感覚的な理解と実際の理論には必ず断絶がある。この本をきっかけに、私は言語学習の根幹に関わる「音」「文字」をどう扱うかを深く考えるようになった。(2024/2/29)

大名力(2021)『英語の綴りのルール』(研究社)

前著『英語の文字・綴り・発音のしくみ』から、綴りと発音の関係の部分を整理し直して一冊にまとめた著作である。この本も英語を教える身としては必携の本に数えられる。各事項は1~2ページにまとまっているので前著よりも読みやすい。英語の綴りの学習で最も重要なのは、何が規則的で、一方「何が」「どれぐらい」不規則なのかをしっかり理解しておくことである。その感覚を身につけるために最適の1冊である。(2024/2/29)

大名力(2023)『英語の発音と綴り なぜwalkがウォークでworkがワークなのか』中公新書

新書版で最も手軽に読める英語の発音と綴りの解説書である。わかりやすい説明だが、英語の発音と綴りは題材そのものがやはり複雑になってしまうため、言語関係の本を読み慣れていない人には少し難しいかもしれない。前半は音声学入門という感じで同著者の類書より詳しく音声言語の根本的な仕組みを説明してくれている。後半は発音を表記するための綴り字の話である。この本で興味を持ったら、大名(2014, 2021)に進むとよいだろう。(2024/4/22)

スーパーファジー(2020)『あいうえおフォニックス 英語の母音をひらがな5つで完全攻略!』(KADOKAWA)

英語のフォニックスを、かわいらしいキャラクターの会話を通してかつてないぐらいわかりやすく教えてくれる。日本語の「あいうえお」の配列で英語の発音を整理して、専門的な話は一切なく英語の「文字の読み方」を身につけていくことができるようになっている。続編も出ている。(2024/2/29)

竹林滋(1988, 改訂版2019)『〈新装版〉英語のフォニックス:綴り字と発音のルール』(研究社)

フォニックスを扱う本の中では、次の成田圭市と先述の大名力の著作が詳しいが、もう少し内容をかみ砕き、英語教育に生かすコンセプトで書かれている。初版は古く1988年である。発音記号の使用を否定する論には疑問点もあるだろうが、基本単語を数多く挙げながら英語のフォニックスの基本を整理していくのに役立つ。(2024/2/29)

成田圭市(2009)『英語の綴りと発音 「混沌」へのアプローチ』(三修社)

綴りと発音のやや詳しい概説書である。特に後半の、Chaos という詩の解説の部分がめちゃくちゃオモシロい。というか、この詩は英語の綴り・発音マニアなら、よだれが出ること間違いなしである。この詩を知ったのがこの本がきっかけだった。(2024/2/29)

ホロビン, サイモン著・堀田隆一訳(2017)『スペリングの英語史』(早川書房)

Crystal(2013)よりもやや詳しく、音をどう表記するか、という点に特化して解説された英語史の本である。もうタイトルからして面白くないわけがない。いやあ、私はこの中で語られる、第7章のアメリカ英語の綴りの話が好きなんですよねえ。英語のでたらめに見える綴り字の歴史とは、いわば綴り字改革の失敗と挫折の歴史にも思える中で、唯一ささやかに成功した綴り字改革としてノア・ウェブスターの業績が燦然と輝いて見えてくる。(2024/2/29)

Crystal, David (2013), “SPELL IT OUT: The Singular Story of English Spelling”, Profile Books

英語好きなら一度は読んだことがある、David Crystal氏による、英語のスペリングについての読み物である。一般の読者にわかりやすくスペリング変化の歴史と現代英語の綴りを解説してくれている。気軽に楽しく英語の綴りについて考えるには最適の本である。(2024/2/29)

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