英語の語源に関する推薦本

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随時更新していきます。(  )は追加日です。

梅田修『英語の語源辞典』大修館書店

英語の語源を本格的に学びたい際に、最も頼りになる教科書は本書である。特に第一部の理論を扱った部分は、一般向けの気軽な語源本から進んだ人には専門的にみえるかもしれないが、結局英語の語彙を本格的に理解して行くにはこの部分の理解は絶対に外せない。ラテン語やギリシャ語、ドイツ語、フランス語などの他言語を学びつつ本書を読み解いていくと、英語の語彙が重厚な香りを持って立ち上がってくること請け合いである。(2024/2/23)

織田哲司『英語の語源探訪 ことばと民族の歴史を訪ねて』(大修館書店)

上述の梅田修の本は専門的すぎるが、一般向けの単語帳スタイルのものは歯ごたえがなさ過ぎる、という場合は本書がおすすめである。全体は語学書というより、各章で一つの単語をテーマとする読みものとなっており、単語の背景にある知識を楽しみながら学ぶことができる。(2024/2/23)

清水健二『英単語の語源図鑑』(かんき出版)

英語の語源本としてはキャッチーなデザインで、大ヒットした一冊である。一家に1冊、一教室に1冊という類いの語源本として活用できる。ただし、実際にこれで単語を覚えるという人はいるのだろうか、という疑問はある。単語をイメージで捉えられるように、すべての単語にいらすとが付いている。視覚と語根を結びつける本としては、未だこれ以上の書籍はないのでは。(2024/2/23)

山並陞一『語源でわかった!英単語記憶術』(文春新書)

世に溢れる語源本は、ギリシャ語やラテン語の語幹を軸に単語をまとめて解説したものが多いが、本書は印欧語まで遡り、より抽象的な単語世界を構築するための本である。例えば、通常の語源本では英語の have とラテン語の capere が同語源であるなんてことはほとんど言及されないが、本書ではその次元をスタートとしている。古英語やラテン語の先にまで遡る祖語の水脈を辿る本書は私の英単語観を劇的に変えて、失われた古語へと思いをはせるきっかけとなった本である。注意すべくは、語源本にはよくあることであるが、多少の民間語源的な説明がなされている点や、古典語の記述が正確でない点である。(2024/2/23)

山並陞一『語源の音で聴きとる!英語リスニング』(文春新書)

上述の山並語源本の続編である。コンセプトは単語の根底にある「音」に焦点を当てて語源を捉えるということである。ただし、タイトルはややミスリーディングで、どう考えてもリスニング教材ではない。前著と同じように綴りよりも「音」から祖語の響きを手がかりに、現代英語の単語を紡いでいくスタイルである。この本に影響を受けたら、とにかく英語は音だ!という発想になりそうなこと請け合いである。ただし、音も大事だが、語源を捉えるにはやはり文字も同じぐらい大切であることは忘れてはいけない。(2024/2/23)

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